世間はGWである。
帰省や旅行に出る人も多いだろう。
おれも
一応、旅行に出かけた。その旅行の目的の1つは、
「ヴァンラーレ八戸」のホームゲームを観ることである。(我ながら、本当にバカだ)
試合当日の早朝、八戸に到着した。
まずは、屋台が800mも並ぶ
「館鼻岸壁朝市」で腹ごしらえをする。
吐く息が少し白く寒かったが、そこはグルメ天国だった。





から揚げ、馬肉鍋、イカ焼き、サバコロ………
この朝市を本題にしたいくらいだったが、話をサッカーに戻す。
朝市からローカル線で2駅移動して、本八戸の中心街からバスに揺られ20分、目的地である
「八戸東運動公園陸上競技場」に到着した。
この陸上競技場は、どこにでもありそうな平凡な造りだ。ナイター設備もない。
グッズ売り場へ行くと、
「覆面を被ったおっちゃん」がウロチョロしている。
自分のイラストが描かれたTシャツを置いて写真を撮るなど、はたから見ると、
不審者である。
しかし、試合の運営に携わるボランティアの方や、ユースの子どもたちは、明るく応対してくれて好印象を持った。
試合開始90分前に開門となり、両チームとも横断幕や旗の準備を行う。
アウェイのFC大阪も、選手横断幕を大量に貼りだす。平凡な陸上競技場の見栄えが、少しよくなった。
試合自体はメインスタンドが見やすいけど、今日はヴァンラーレ八戸サポーターの近くで試合を観戦することにした。
理由は、一応 ブリオベッカ浦安のファンだから。(この日は矢板でリーグ戦があったけれど、こっちを優先した)
参考:
井の中の鼠、大海を知る・・ 試合開始が近づくにつれ、メインスタンドはかなり埋まってきた。
ゴール裏は、ゆるやかな傾斜の芝生なので、ヴァンラーレ八戸サポーターは、思い思いの場所でまったりしている。誰も、強制的に応援させる雰囲気もない。

試合開始直前になって、声を出して応援するヴァンラーレサポが、ゴミ袋を持ってコレオを行った。
その後、サポ同士が円陣を組んだのだが、「覆面のおっちゃん」の話が長く、選手よりも、円陣を組み終わるのが遅い。
…グダグダにもほどがある。 試合が始まると、両チーム一進一退の攻防で、スコアは動かない。
ヴァンラーレサポは、Jリーグでも使われるような応援歌で、選手を盛り立てる。
前半20分過ぎには、かの有名な
「紅チャント」を歌いだした。
「覆面を被ったおっちゃん」が、ハイテンションで太鼓とドラを叩いていたときに事件が起きる。

………
メインスポンサーの商品を、破壊するサポなんてありえねー!!!
前半終了近くになるとオーサカが主導権を握り、決定的な場面を2回作る。
1回目は右ポスト直撃、2回目は左ポスト直撃だったが…
結局スコアレスで前半終了。
前半のヴァンラーレの応援で、気になった点をいくつか挙げる
・ゴール裏には、全くといっていいほど悲壮感がない。ヴァンラーレギャルが10人くらい居たので、応援の掛け合いも楽しそう。
・テキトーに始めたコールを「覆面のおっちゃん」が煽るなど、かなりフリーダム
・メインスタンドから、時折手拍子もあったが、手拍子しづらい応援歌が多いため、それほど応援はしていない。でも、ヴァンラーレがミスをしても、悲壮感は出ていない。
ヴァンラーレのゴール裏を一言で言えば、
田舎の応援である。オーバーに言えば、「地元の草野球のチーム」を酒飲みながら賑やかに応援している感じである。
「居酒屋ムサリク(ビアガーデン西が丘)」に近いイメージだ。
後半に入っても、まだスコアは動かない。それでもオーサカ優勢かなー。などと思っていた矢先、
ヴァンラーレ先制ゴール!!(李澤のクロスから玉田ドンピシャヘッド)
ヴァンラーレサポはお祭り騒ぎである。
みんなでハイタッチしたり抱き合ったり、ホント楽しそうだったし、何より、
サポ同士で壁が無い。排他的要素が全くといっていいほどない。
これは特筆すべきだ。
点を取った時の応援歌「祭り囃子」を歌った後は、「自由演技」の応援に拍車がかかる。
自由演技しすぎて、疲れて横になるサポもいた…
そんな応援に乗せられたか、
ヴァンラーレ追加点!!
(菅井慎也ドリブルから持ち込んだ)
ヴァンラーレサポはお祭り(以下略)
結局このまま試合終了。ヴァンラーレ八戸が、リーグ最多得点のFC大阪を2−0で下した。
試合後はすぐに解散
せずに、公園の芝生で
「両サポーターを交えてお疲れさん会」が行われた。
花見のように、酒つまみを飲み食いするだけのイベントである。
おれも参加したが、
ヴァンラーレサポはみんな腰が低く優しい人たちだなと感心し、
FC大阪サポは明るく面白い人たちだと思った。
(もっともFC大阪サポがいる間は、浦安好きであることを隠したが)
そのイベントに参加した、FC大阪サポのツイートを挙げる。
おれも、参加してスゲー楽しいと思った。が、時間の都合上、中座した。
ヴァンラーレサポとの別れ際に、おれはこんなことを言った。
「J1J2J3JFL全68チーム中、46チームのホームゲームを観戦しているけど、こんなに楽しそうな雰囲気で、応援しているチームはない」
もちろん本音である。(そもそも、おれは建前が言える性格ではない)
ただ、他チームがいきなりこんな応援をやったら、
バッシングをくらうことは必至なので、どこのチームでもできる応援ではない。
八戸という地域に合った応援なのだから。
ただ、新スタジアムが完成したときに、今の応援を継続するのか?
第三者のおれでも、気になることだ。
プレーを観やすくなる。選手との距離が近い。というのは、いいことばかりではない。
球技専用スタジアムになると、観客のため息や罵声etcが、選手や他の観客に悪影響を及ぼすケースは多い(特に東北)。 この問題をクリアできれば、ヴァンラーレ八戸は、誰もが親しみやすいクラブになれるだろう。