年間で10試合も観戦しないが、「強烈な印象が残っている試合」もある。
2009年6月11日の 千葉ロッテvs広島カープ(マリン) だ。
この時期のカープは好調で、交流戦の総合順位でも2位につけていた。
しかし、カープ先発の大竹が3回持たずにノックアウトされる。
対照的に、ロッテ先発の清水直行は好調だった。点が取れない。
そして、「運命の」6回裏ロッテの攻撃を迎えた。カープは敗戦処理のピッチャーが出てきた。
この回の攻撃を端的に書くと
「打者二巡」「攻撃時間48分」
「15得点」
カープから見れば、ただあきれるしかない展開だった。しかし、カープファンが集まるレフトスタンドからは、何一つグラウンドへ物の投げ込みはなかった。
三塁側フィールドシートから、メガホンが1つ投げこまれただけだ。
ここまでマナーを守れるファンは立派だと思う。
そんなこんなで、9回表カープの攻撃を迎えた。
スコアは2−23
カープが満塁ホームランを5本打っても追いつかない点差である。
ファンもちらほら帰る中で、応援のリードを取るのは、「かりべやすお」さんだ。
カープファンに密集を呼びかけ、集まったところで
卒業式応援を決行した。
俺たちは
絶対に
諦めない
何故ならば
カープが大好きだから
この時の応援は、絶望的な状況と思えない迫力だった。
結局、1点も取れずに試合が終わったが、この応援に対しカープの選手からも反応があった。
その選手は石井琢朗だ。
あきらめない(石井琢朗ブログ)
かりべさんは最近になって、Twitter上で当時の心境を振り返っている。
@maru38furu84 きっとあの点差でも最後まで帰らなかったみなさんに対する感謝の気持ちなんだと思います。結局毎日の事なんでみなさん次第なんですね。あの日ああさせたのは間違いなく現地にいたカープファンのみなさんですよ!
— やすお (@yasuo66cho) 2015, 9月 7
@maru38furu84 どんな試合でも、くそ試合でもなにか良い事は一つでもあるんだ、なきゃ駄目だって思います。チームにないなら、時には応援団でもいーじゃかいか!そんな思いは覚えてます。
— やすお (@yasuo66cho) 2015, 9月 7
そんな かりべさんだが、2015年シーズンをもって「おやすみ」することが発表されている。
カープの応援団「緋鯉会」総代表が活動を休止した理由とは?苅部安朗〜カープと歩んだ23年間〜
残念ながら「おやすみ」という形になった。若い優秀な応援団員もいるが、かりべさんは特に以下の2点については功績が大きい。
・悲壮感や使命感を前面に出さず、コアではないファンの力を最大限出す
・負けることが多いチームでも、応援だけでファンを増やす
おれ個人としては、自然体でありながら最大限の力を込めて応援できたと思う(もちろん、他の人が先導するときも、大きな声を出して応援できているけど)。
(会話なんて一言もしていないけが)また球場で見たい人物だ。
(間接的に)おれを、弱いチームのファンにさせた人物の1人なので、恨んでもいるけど。