2018年08月29日

東京23FCさん本当にありがとうございました

処暑を過ぎても、気温の高い先週土曜日、ブリオベッカ浦安は「江戸川クラシコ」と呼ばれる東京23FC戦に臨んだ。


試合会場は、江戸川区陸上競技場

サッカーの試合を観戦するために、何回も足を運んでいるが、浦安ファンとして来場するのは初めて。


キックオフ2時間前に到着すると、スタジアムグルメは数店舗オープンしていた。地域リーグとしては、かなり早い時間からの営業だ。


ピッチ上では、キッズフェスタ&GKスクール を開催中。ベンチ外選手やGKコーチが「先生役」だ。



ブリオベッカのホームゲームでは試合前に小学生同士の前座試合が組まれるケースが多い。当然のことながら、その場にトップチームの選手はいない。しかし、小学生にとって、トップチームの試合会場で試合ができることは喜ばしいはず…


ピッチ上でのイベントが終わった後は、ゆるキャラが何体も出てきた(この暑い時期に徒競走は…と感じたが)。

東京23区ガールズやSherryのライブも開催。スタンドは盛り上がる。



おれは、地域リーグのサッカーを多くの場所で観戦しているが、これほど多くのイベントが開催され「お祭り」の雰囲気を出せる運営のできるチームは、まずない。


浦安応援席は、スクール生が来ていないこともあり、少しだけアウェイの空気が漂う。


その状況は変わることなく、選手入場を迎えた。



東京23FCの声出しが気勢を上げる中で、キックオフ。


両チームとも慎重な立ち上がりとなり、カウンターが発動しない。

浦安の声出しは、なぜか「人力アントラーズ」を歌いだす。ピッチ上では、DFラインからの持ち上がりで、いいシュートを打つシーンもあったが、得点には至らず。


東京23FCは、先週の国体予選でMVP級の活躍を見せたFW飯島がベンチにいることもあり、前半は膠着状態のまま終わる


と思っていたおれが、愚かだった。


中盤からの中距離パス1本で、浦安が先制点をあげる。


その瞬間、おれは喜ぶよりも先に「オーッ!」と感嘆の声をあげた。


参考:

(当時を振り返る羽生善治のコメント 「対局室と解説室とはかなり離れている上に、防音の厚い壁もあるので、 普通は解説室の声は聞こえないが、5二銀を打った瞬間、対局室に叫び声が聞こえてきた。 解説室の声が聞こえたのは後にも先にもあの1回だけだった」)



冗談はさておき、

「パスの出し手の選択・精度」

「パスの受け手の動き出し・トラップ・シュート」

いずれも、高いレベルだった。

今シーズンの浦安は、前線がいい動き出しをしても、いいパスが入らない(入れようともしない)シーンが度々あった。それだけに、このゴールは痛快だった。


このまま前半終了。スコア的にはいい展開。


勝負の後半、浦安の声出しは「カモン浦安」コールで選手を盛り立てようとする。


しかし、東京23FCの選手交代から流れは変わる。


FW飯島の投入だ。


絶好調のエースFWが、残り30分になってから登場。「浦安の大きな弱点の1つ」を見据えた戦術であることは明らかだった。


ロングフィード1本から同点に追いつかれ、サイドのケアに気が向いた瞬間、個人技で中央突破を許し逆転される。



この時間帯のスタンドは、23を応援するファンの声援が凄かった。


同点ゴールを決めた選手が、ウルトラの前まで走ってガッツポーズ。スタンドの観客の多くは、立ち上がって喜ぶ。


逆転ゴールが決まったときは、より大きな盛り上がりだった。







東京23FCの選手は、「本当の意味でファンからの声援からパワーをもらっている」のだろう。

メインスタンドの盛り上がりも、JFLですらあまりない雰囲気だった。



この光景を見ていて(おれはもちろん、声援を送っていたが)、

浦安よりも東京23FCのほうが遥かに、声援が選手の力になっている現状を察した。



とはいえ、浦安の選手は黙っていなかった。


35歳のようなプレーをするゴッツ(太田泰河)から菊島にボールが渡り、見事なゴールを決める。



同点に追いついたが、浦安ファンの声援は、この日のホームチームに比べると、微々たるものだった。

おれ自身、同点に追いついたのは嬉しいが、スクール生がいない応援の寂しさを感じていた。


ここからは一進一退の攻防となった。しかし、浦安の大きな弱点を突いた東京23FCがラスト10秒で劇的ゴールを決める。

東京23FCのウルトラは狂喜乱舞。メインスタンドの観客は総立ち。

2年前のアウェイ・Honda FC 戦を思い出させる光景だった。


都田は特別な場所

「現状認識」ができなかったことに尽きる




個人的には、「悔しい」というよりも、浦安の声出しの無力さを痛感した。
(浦安の場合 : 選手に声援があまり届いていない、座って観戦している観客が盛り上がらない etc. )



このまま試合終了。浦安は、逆転負けを食らった。「江戸川クラシコ」で、ダブルを許すおまけつき。



試合直後は、浦安の選手も、声出しも「悔しさありあり」


おれは、試合中のほとんどの時間帯で、声出し応援をしていたのに、悔しさをそんなに感じなかった。何故なら、選手が必要以上に落ち込んでいるのを見たからだ(平成22年の「みちのくダービー@天童」でも同じ経験をしている)。


個人的な考えでは、
浦安は、選手個人でいえば、いいプレーも散見した。しかし、対戦相手の心理状態を考えるようには感じなかった。

対する東京23FCは、浦安の弱点を把握した上で、見事に逆転勝ちした。その差が結果に出た。


途中出場のFW飯島 3得点に絡み存在感

東京23FC土屋監督 一問一答
(以上、TOKYO FOOTBALL)




試合後にスタンドの外へ出ると、東京23FCの選手たちが観客のお見送りをやっていた。

浦安でも、こうしたファンサービスを行っているが、様子は違う。

浦安の場合は、選手が立っていて、ファンがお気に入りの選手のところへ行くのみ。

東京23FCの場合は、運営スタッフの方が観客に向かって、選手とハイタッチするよう促す(おれも、ハイタッチしようか悩んだ)


「今日大活躍だった○○選手とハイタッチしてくださーい!」とか「イケメンとハイタッチして帰ってくださーい!」と掛け言葉もよい。


特に、人気選手の渡邉敬人や板野圭竜は、引っ張りだこ。ハイタッチに記念撮影に大忙しだった。


浦安の選手は、その影でひっそり帰路についた。おれは、1人の選手だけ「ナイスプレー」と声を掛ける。
そして、東京23FCのハイタッチが終了したのを見届けてからスタジアムを後にした。





…今になってこの試合(前後を含む)を振り返ると、東京23FCの試合には、見習うべき点が多いことに気づかされる。

ピッチ上の内容を除くと、個人的には以下のとおり


・声出し、スタンド全体の声援

・ゴールが決まったときの盛り上がり(そのときの選手とスタンドの距離感は、正直うらやましい)

・運営として、試合会場で「お祭り」の空気を出していること(試合開始1時間前から、様々なイベントあり)

・トップチームの選手と、観客の接点が多い
注:ここで書く観客とは、常連さんや後援会を除く





この日、ピッチの内外で、東京23FCとの差を感じずにはいられなかった。

しかし、それは悲観すべきことではない。


特に、ピッチ内での課題は、より一層はっきりした。

シーズン序盤と比べて、改善された点も多いが、フットボールに勝つために本当に必要なものはなんなのか
理想論ばかりではなく、正しく現状を認識して、来シーズンを迎えてほしい。


課題がうやむやになったまま、新シーズンに突入する事態は避けてほしい。JFL1年目〜2年目のオフシーズンが最悪だったが、それの二の舞だけは…




ピッチ外については、
おれの考え(応援)が間違っていたのか?と自問自答することもある。

選手と(後援会、常連さんを除く)観客の接点を増やすには、おれがもっと行動を起こすほうがよいのか?と思うこともある。
(注・選手とは、試合会場、練習場、イベント以外で会ったことはない)




現状を悲観はしていない。しかし、
このブログを、浦安から離れた地でアップするのが、本当にもどかしい。
posted by 東スポ(東小岩スポーツ) at 22:15| Comment(0) | 2018「魔境の関東」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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