2019年03月24日

レイトンオリエント(5部リーグ)試合観戦記

「レイトン・オリエントFC」というクラブを知っている日本人は、年中コスプレする中年のことを知っているサッカーファンくらいしかいないだろう。


年中コスプレする中年を取り上げたNumberの記事:勝ち負けや昇格だけが全てじゃない!JFLの“総統”が語るサッカー観戦術。(Number web)



この中年は、ときどきこのクラブの話をする。

彼がチームの説明をするとき、3部や4部に所属していながら、「昇格を目指すことを目標としない」方針である、としている。


ところが、近年は成績低迷が続き5部リーグに所属している(4部まではプロリーグ。5部リーグは全国リーグだが、プロアマ混合)。


5部リーグから4部リーグに自動昇格するには、リーグ優勝するしかない。2位〜5位が、昇格プレーオフに回る厳しいレギュレーションだ。







おれが観戦した試合は、レイトン・オリエントFC vs Wrexham というカードだった。1試合消化の早いWrexhamが首位だ。しかし、レイトンが勝てば、首位に躍り出る大一番。



どういう雰囲気なのかワクワク想像しながら、チケット売り場に並ぶ。


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(日本のJFLのように、関係者にチケットを渡すブースもある)



チケットの値段は、5部リーグなのに強気と思える値段設定だ。(現在のレートで1ポンドは、約145円)


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但し、親子連れにとっては、良心的といえる。




地元周辺に住んでいると思われるファンに混じって、売り場の列に並んでいると、1人のファンから声を掛けられる。


「シーズンチケットが1枚余っているから、チケットをあげるよ」と言われ、遠慮なく譲ってもらう(注、今シーズンのシーズンチケットは3,700枚以上売れている。おれが譲り受けたチケットは年間で289ポンド)。



今にして思えば、おれみたいなアジア人が、レイトンの試合に来たことが嬉しかったのだろう。心遣いに感謝。



嬉々として入場口でチケットをもぎってもらい、スタジアムの中へ(手荷物検査は少しあった)


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スタジアムの中に入って、とても驚いた。


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距離感、雰囲気がとても素晴らしいスタジアムだ。



日本に例えると、日立台と都田のいいとこどりをした上で、


全席個別のシート&全席屋根付き




5部リーグで、こんな専用スタジアムがあるとは…


(自前のクラブハウスと練習場もあり)




さらに、スタジアムの四隅には、マンションが入り組んでいる。

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距離感でいうと、ユアテックスタジアム仙台の四隅のスタンドより近いところに、マンションがドンと建っている感覚だ。
(おれがマンションの住民なら、「○○(新加入のレンタル選手の名前)に、この一室をあげる!」というゲートフラッグを作成している)




感動している間に、選手入場を迎える。おれが座っているメインスタンドはもちろん、他のスタンドも総立ちで選手を迎える。たくさんの親子連れも、老夫婦も。



そして、7,800人収容のスタジアムに、6,643人が駆け付けた大一番が、キックオフ。


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ピッチ上の話をすると、「…やはり5部リーグだな」と思わせるプレーが多かった。運動量やプレスの掛け方、特にトラップ技術etc.がプロアマ混合らしいレベルだった。ソニー仙台なら互角になりそうな内容だ。



しかし、スタンドの雰囲気はとても5部とは思えなかった。



自然発生の応援でほとんど声は途切れていた。しかし、ワンプレーに対する反応が、日本よりもはるかに大きい。



積極的に攻撃した結果、わずかに連携が合わなかったプレーは、拍手や声援を送るファンもいた。
個人的には、スペリオ城北の試合が行われる赤スポを思い出す。



いいプレー(高い位置でボールを奪うetc.)には大きな拍手。相手のラフプレーやミスジャッジには立ち上がって起こる人が多数。それ以外のシーンで、ブーイングは皆無。


決定機のシュートを外したときの「ウー!!」という重低音は、とても迫力があった。



ただ、選手がトラップミスしたときのリアクションが、「アイツなら仕方ないよ。ハハハ」という観客が多かったのは予想外だった。

日本のアマチュアリーグでもよく見る光景だったからである。




前半45分で、1番印象に残ったのは、レイトン・オリエントのマスコットキャラクターだ。


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マスコットキャラクターは、ゴールラインの近くにいたのだが、選手がラフプレーで倒されたとき、



選手を同じように転がって、スネのあたりを手で抑えていた。


相手を批判しているのか、選手と一緒に戦っている意思表示なのかは定かではない。




このまま、前半はスコアレスで終了する。


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勝負の後半、レイトンのサポーターが自然応援したときの声量が大きくなる。



「カーモン!オリエント!」(「カーモン!ウラーワレッズ!」と同じテンポ)の応援は、なかなかの迫力だ。



その流れに乗せられ、歓喜の瞬間は後半27分に訪れた。



WrexhamがPA内でボールをクリアしきれず、レイトンの選手にボールが渡る。すかさずシュートを打つと、Wrexhamの選手に当たり角度が変わった。ボールはGKの手をかすめて、ネットに吸い込まれた。先制点が生まれた。



レイトンのファンは、観戦している場所に関係なく立ち上がり、「イエー!!!!」という野太い大歓声がスタジアムにこだまする。



日本では、なかなか体感できない一体感だ。



このまま試合が進み、試合終了5分前になったところで、500人以上詰めかけたアウェイサポーターエリア周辺に30人以上の警備員が配備された。


結局、レイトンが虎の子の1点を守り抜き、試合終了。

レイトンが首位に躍り出た。



両チームの選手とも、それぞれのファン・サポーターの近くに向かい、あいさつをする。



首位から陥落したWrexhamのファン・サポーターは、どういう反応をするのかと思ったら、


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拍手で出迎えるファンが多数だった。






この試合を観たおれは、レイトンのグッズを購入した。
ショップの中は、子供向けのグッズがとても充実していた。
(ショップ内のため、写真は撮影できず)




この試合を観ただけで、とても満足したが、この日はもう1試合観戦した。

その観戦記は、また後ほど。





追記:
レイトン・オリエント vs Wrexham の試合ダイジェスト動画





posted by 東スポ(東小岩スポーツ) at 22:14| Comment(0) | 海外サッカー観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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