2015年12月07日

「下から目線で」JFLチャンピョンシップ

 JFLチャンピオンシップを観に仙台へ行ってきた。

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 ブリオベッカ浦安が、来年昇格するリーグの優勝決定戦であることも理由の1つだが、


 ソニー仙台・ヴァンラーレ八戸の2チームが、単純に好きだからである。
(東北のチームであること。ファン・サポーターに共感したことetc)


参考
ソニー仙台ホームゲーム観戦記:強風には勝てない

ヴァンラーレ八戸ホームゲーム観戦記:「無垢な田舎者」は恐ろしい



 開門前に到着し、両チームのファン・サポーターへ挨拶をする。みんな「ブリオベッカ昇格おめでとうございます!」と祝ってくれたが、

 しかし一部の八戸サポからは、「ラインメールに負けた」ことに対して、苦情が寄せられた。


 言葉を交わしたファン・サポーターの様子から、「悲壮感」「使命感」といった雰囲気が全くないことに驚いた。

 全国リーグの初優勝が掛かった試合なのに、「サッカーを楽しむ」姿勢が前面に出ている。両チームファン同士の雑談もあり、Jリーグで散見される、殺伐とした空気は少しもない。



 試合開始1時間前になり開門。 両チームのサポーターが、急いで横断幕を設置する中、おれは特等席を確保。

 選手がアップのために姿を見せると、歓声が起きる。

 国内屈指の球技専用スタジアムにふさわしい臨場感が生まれ始める。



 選手が下がり、試合開始まであと少しの段階で、

 両チームのスタジアムDJがファンの熱気を盛り上げる。IMG_0772.JPG
 
 チーム同士が、友好な関係にあることが伺える。

 さらにいえば、試合運営も素晴らしい(人員が適度に割り振られていて、混乱が生じた場面は全くなかった)

 ただ、
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 八戸の大漁旗が、スタジアム名を思い切り隠していた。(さすが無垢な田舎者)
 ↑後半開始時には修正していた。


 そして選手入場
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 報道陣が多い。


 試合が始まる。

 1stレグで負けているソニーが圧倒的にボールを支配する。

 ソニーは、昨年の関東大学リーグ得点王の前澤選手が、左のウィングの位置にいる(3-4-3で、4のところの1番左)。(前線の選手が豪華で、運動量豊富なボランチがいるからこそ)

 前半はスコアレスで折り返したが、八戸のシュートはゼロ。
 それでも、「八戸のファン」「ソニーのファン」に負けじと盛り上がる。



 ハーフタイムにトイレへ駆け込んだとき、とあるファンが「Jリーグより面白いね!」と言ったセリフが離れないまま後半開始(ベガルタも好きなおれからすれば、かなり複雑)。

 後半もペースはあまり変わらず。(決定的ではないが)八戸はシュートで終わる攻撃も出てきた。


 しかし、後半24分

 ソニー仙台にゴールが生まれた!

 しかも、決めたのはソニー在籍8年目で宮城県出身の村田選手。

 これで2試合の合計スコアは1−1のタイになった。1,700人以上集まったファンのボルテージは上がる一方だ。(通常のリーグ戦では500人程度の来場者数)
 


 八戸も防戦一方だが、なんとかしのぎ延長戦に突入。

 延長戦になると、足の止まる選手が見え始める。


 しかし、ソニーのボランチはまだ余力があるように見える。

 1人はキャプテンの瀬田選手(4月に観に行った試合ではゴールも決めた)

 もう1人は細見選手

 おれの中では↓のイメージだった
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 ファンサービスの一環として行われたビンゴ大会の司会者

 

 面白い関西人というイメージだったが、考えが大きく変わった。

 残り10分足らずの場面では、豪快なミドルシュートも放った。

 メインスタンド中央からみて、「入った!」と思ったが、バー直撃。



 ソニーが押し続ける残り5分、両チームとも最後の交代を行う。

 八戸は満を持して鳥山選手が登場。

 右サイドという名の滑走路を疾走し、いいクロスも上げるが、ネットを揺らすことができず。



 スコアが動かないまま延長戦も終了。



PK戦は省略



 結果、ソニー仙台がJFL初優勝

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 本当におめでとう



 八戸の選手は悔しさがにじみ出ていたが、表彰式でも胸を張っていた。


 その後はアマチュアらしく、選手がお互いのサポーターの元にあいさつしていた。

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(八戸の選手のあいさつは撮れていない)


 サポーターは、お互いのチームコールをする「ノーサイドの精神」をもっている。






 さて、

 来年、ブリオベッカ浦安はこの素晴らしいリーグに挑む。


 特に、ソニーの攻撃は「驚異」の一言だ。JFLのバルサといっても過言ではない。正直怖い。

 もちろん、八戸・Honda etcもレベルが非常に高い。



 それでも、この日のファン・サポーターのように、試合を盛り上げて、リーグを盛り上げたい。

 




posted by 東スポ(東小岩スポーツ) at 22:35| Comment(0) | J3 その他JFL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月05日

「無垢な田舎者」は恐ろしい

 世間はGWである。

 帰省や旅行に出る人も多いだろう。

 おれも一応、旅行に出かけた。その旅行の目的の1つは、

 「ヴァンラーレ八戸」のホームゲームを観ることである。(我ながら、本当にバカだ)



 試合当日の早朝、八戸に到着した。

 まずは、屋台が800mも並ぶ「館鼻岸壁朝市」で腹ごしらえをする。

 吐く息が少し白く寒かったが、そこはグルメ天国だった。

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 から揚げ、馬肉鍋、イカ焼き、サバコロ………

 この朝市を本題にしたいくらいだったが、話をサッカーに戻す。

 
 朝市からローカル線で2駅移動して、本八戸の中心街からバスに揺られ20分、目的地である「八戸東運動公園陸上競技場」に到着した。


 この陸上競技場は、どこにでもありそうな平凡な造りだ。ナイター設備もない。

 グッズ売り場へ行くと、「覆面を被ったおっちゃん」がウロチョロしている。


 自分のイラストが描かれたTシャツを置いて写真を撮るなど、はたから見ると、不審者である。

 しかし、試合の運営に携わるボランティアの方や、ユースの子どもたちは、明るく応対してくれて好印象を持った。

 試合開始90分前に開門となり、両チームとも横断幕や旗の準備を行う。

 アウェイのFC大阪も、選手横断幕を大量に貼りだす。平凡な陸上競技場の見栄えが、少しよくなった。




 試合自体はメインスタンドが見やすいけど、今日はヴァンラーレ八戸サポーターの近くで試合を観戦することにした。


 理由は、一応 ブリオベッカ浦安のファンだから。(この日は矢板でリーグ戦があったけれど、こっちを優先した)

参考:井の中の鼠、大海を知る・・

 試合開始が近づくにつれ、メインスタンドはかなり埋まってきた。

ゴール裏は、ゆるやかな傾斜の芝生なので、ヴァンラーレ八戸サポーターは、思い思いの場所でまったりしている。誰も、強制的に応援させる雰囲気もない。

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 試合開始直前になって、声を出して応援するヴァンラーレサポが、ゴミ袋を持ってコレオを行った。



 その後、サポ同士が円陣を組んだのだが、「覆面のおっちゃん」の話が長く、選手よりも、円陣を組み終わるのが遅い。

…グダグダにもほどがある。


 試合が始まると、両チーム一進一退の攻防で、スコアは動かない。

 ヴァンラーレサポは、Jリーグでも使われるような応援歌で、選手を盛り立てる。

 前半20分過ぎには、かの有名な紅チャントを歌いだした。

覆面を被ったおっちゃんが、ハイテンションで太鼓とドラを叩いていたときに事件が起きる。





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………


 メインスポンサーの商品を、破壊するサポなんてありえねー!!!



 前半終了近くになるとオーサカが主導権を握り、決定的な場面を2回作る。

 1回目は右ポスト直撃、2回目は左ポスト直撃だったが…


 結局スコアレスで前半終了。

 前半のヴァンラーレの応援で、気になった点をいくつか挙げる


 ・ゴール裏には、全くといっていいほど悲壮感がない。ヴァンラーレギャルが10人くらい居たので、応援の掛け合いも楽しそう。

 ・テキトーに始めたコールを「覆面のおっちゃん」が煽るなど、かなりフリーダム

 ・メインスタンドから、時折手拍子もあったが、手拍子しづらい応援歌が多いため、それほど応援はしていない。でも、ヴァンラーレがミスをしても、悲壮感は出ていない。


 ヴァンラーレのゴール裏を一言で言えば、田舎の応援である。オーバーに言えば、「地元の草野球のチーム」を酒飲みながら賑やかに応援している感じである。「居酒屋ムサリク(ビアガーデン西が丘)」に近いイメージだ。


 後半に入っても、まだスコアは動かない。それでもオーサカ優勢かなー。などと思っていた矢先、

 ヴァンラーレ先制ゴール!!(李澤のクロスから玉田ドンピシャヘッド)

 ヴァンラーレサポはお祭り騒ぎである。

 みんなでハイタッチしたり抱き合ったり、ホント楽しそうだったし、何より、
 
 サポ同士で壁が無い。排他的要素が全くといっていいほどない。
 これは特筆すべきだ。
 
 点を取った時の応援歌「祭り囃子」を歌った後は、「自由演技」の応援に拍車がかかる。




 自由演技しすぎて、疲れて横になるサポもいた…

 そんな応援に乗せられたか、

 ヴァンラーレ追加点!!
(菅井慎也ドリブルから持ち込んだ)

 ヴァンラーレサポはお祭り(以下略)


 結局このまま試合終了。ヴァンラーレ八戸が、リーグ最多得点のFC大阪を2−0で下した。

 試合後はすぐに解散

 せずに、公園の芝生で「両サポーターを交えてお疲れさん会」が行われた。

 花見のように、酒つまみを飲み食いするだけのイベントである。



 おれも参加したが、ヴァンラーレサポはみんな腰が低く優しい人たちだなと感心し、
 FC大阪サポは明るく面白い人たちだと思った。
(もっともFC大阪サポがいる間は、浦安好きであることを隠したが)

 そのイベントに参加した、FC大阪サポのツイートを挙げる。






 おれも、参加してスゲー楽しいと思った。が、時間の都合上、中座した。

 ヴァンラーレサポとの別れ際に、おれはこんなことを言った。

「J1J2J3JFL全68チーム中、46チームのホームゲームを観戦しているけど、こんなに楽しそうな雰囲気で、応援しているチームはない」

 もちろん本音である。(そもそも、おれは建前が言える性格ではない)

 ただ、他チームがいきなりこんな応援をやったら、バッシングをくらうことは必至なので、どこのチームでもできる応援ではない。



 八戸という地域に合った応援なのだから。


 ただ、新スタジアムが完成したときに、今の応援を継続するのか?
 第三者のおれでも、気になることだ。

 プレーを観やすくなる。選手との距離が近い。というのは、いいことばかりではない。

 球技専用スタジアムになると、観客のため息や罵声etcが、選手や他の観客に悪影響を及ぼすケースは多い(特に東北)。


 この問題をクリアできれば、ヴァンラーレ八戸は、誰もが親しみやすいクラブになれるだろう。

posted by 東スポ(東小岩スポーツ) at 14:25| Comment(0) | J3 その他JFL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月30日

南長野の素晴らしさは、施設だけじゃない

 4月26日にJ3リーグを観戦した。

 昨年はJ3リーグの試合を10試合観戦したが、今年は初観戦である。

 JFLの試合は遠隔地(宮崎)を含め、既に2試合参戦しているのに、である。



 理由は ・JFLとJ3はプレーの質が大きく変わらないこと
     ・J3に、つまんない野次のキツいチームがあること(特に東北の某チーム)


この2点が考えられる。

 それでも、J2に匹敵する戦力とサポーターがいるチームもある。
 それが、「AC長野パルセイロ」だ。


 今年3月に南長野運動公園総合球技場がリニューアルしたこともあって、先日行ってみた。

 まず目を奪われたのは、ヨーロッパみたいな外観である。コンクリートを隠したデザインに武骨な感じはなかった。

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 スタジアムの外周を1周して、四方からピッチレベルに風を通すスペース(大きい通風口)があることに気が付いた。芝の生育にも気を使ったデザインであることがわかる。



 中に入ってみて、見やすいという印象を持ったが、それ以上に「屋根が大きい」。

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 ほとんどの座席は屋根の下で快適に観戦できる。その屋根も、芝の生育を妨げないよう設計されている(南ゴール裏のみ1層なので、写真のとおり、ピッチ全体に太陽光があたる)。




 ここまでは、施設の話で、これからはそれ以外の話

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 ・J1ナビスコカップ予選並みのサポーターの大声援(どちらのサポーターも、楽しそうに応援していることに好感をもった)
 ・5,000人以上の観客動員
  (レノファ山口ファンも、遠隔地なのに100人近く来ていた)

 
 J2でも当たり前ではない光景である。

 序盤の上位対決ということもあって、選手も躍動した。
 
 特に、レノファの同点ゴールは、キレイな崩しで、見事だった。


 しかし、パルセイロファンのため息は少なかった。


 言うまでもないが、球技専用スタジアムは、見やすい迫力がある

 でも、消極的な声(ため息や悲鳴)も選手に届きやすい。という短所もある。


 なのに、パルセイロファンの ため息や悲鳴が目立つシーンは、全くといっていいほどなかった。

 サッカーを観る文化は、あまりないはずなのに………郷土性の問題だろうか(この問題は今後も取り上げていく)


 そんなパルセイロファンの大声援の力を受けて、レノファに競り勝った。
 松木安太郎も解説として来場した試合は、なかなかの好ゲームだった。



posted by 東スポ(東小岩スポーツ) at 13:37| Comment(0) | J3 その他JFL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする