2017年11月15日

人には口が一つなのに、耳は二つある

それは自分が話す倍だけ、他人の話を聞かなければならないからだ。byユダヤのことわざ





おれが学生のころ、長い期間にわたり低迷しているプロ野球チームがあった。

名将と呼ばれる男が監督に就任してから3年目、7月の中断期間中のこと。
その監督と、球団オーナーが会談を行った。監督は、オーナーに対して以下の提言を行った。
「チームの成績が悪いからといって、監督をコロコロ代えて済ますのは、的外れです。チームの心臓は編成部。ここから治療しなければ、強いチームは作れません」

(ドラフトやFAなど)チームの強化論について提言したところ、オーナーは、このように反論した。
「(ポジションが被ろうとも、他球団の主力選手を大型契約で加入させる)巨人のやり方が正しいというのかね!?」
そう聞かれた監督は、
「ある意味では正しいと思います」と応じた。
チーム強化論が真っ向から対立した結果、この会談は3時間以上の時間を費やした。

会談中に監督は、退任後のことも話している。
「このチームを変えられるのは西本(幸雄)さんか星野(仙一)くらいですよ」


会談が行われたのち、オーナーの心構えが変わったのかどうかは分からない。変わったことがあるとすれば、球団OBの意見を聞くようになった。シーズン終了後には、他球団の監督を退任したばかりの野球評論家と、水面下で会談を行っている。

紆余曲折を経て、オーナーはその野球評論家に次期監督就任の正式オファーを出す。その席で、野球評論家はオーナーに対し、辛辣な発言をした。
「阪神を変えるには、まずあなたから変わっていただきたい!」

結局、その評論家が監督に就任。巨人のやり方を駆使しながら、リーグ優勝を達成した。






贔屓チームに対して、上記のことをやってほしい。そこまでは思わないが、昨日のブログに書いたとおり、現状認識はしてほしい。


選手の育成には「ある程度」定評がある。これは正しいだろう。


しかし、昨シーズン末〜今シーズン途中の出来事を飲食店に例えると、
自前で、おいしい和牛を育てている。
しかし、店の看板メニューだった和牛が無くなった。
それでも、何も変えず(変えられず)に経営をしていた焼き肉屋



近年の日本国内で「自分たちのスタイルは変えないサッカー」といえば、ミハイロ・ペトロヴィッチのサッカー(通称・ミシャ)だろう。ミシャだって、チーム状況によっては、違うサッカーを選択することもあった。


【J1:第2節 大宮 vs 広島】ペトロヴィッチ監督(広島)記者会見コメント

【J1:第2節 大宮 vs 広島】レポート:『勝点3を取るため』のカウンターサッカーに徹した広島と、数字では圧倒しながら敗れた大宮。チームとしての成熟度の差が結果に表れる。(以上、J’s GOALアーカイブ)




ミシャのサッカーも浦安のサッカーも、極めれば美しいサッカーといえる。

しかし、人生と同じで、うまくいかないことも多々ある。他の考え方が必要なときもある。寄り道が必要なときもある。

そうなったときの判断が遅くなってしまい、浦安は降格圏のままシーズンが終わった。





「浦安らしいサッカー」は、確かに素晴らしいかもしれない。しかし、それだけではJFLで結果を残すことができない。
今季終盤、攻撃でも守備でも結果を出した柴田監督を契約満了にした以上、スポンサーさんや関連企業の方々の目は厳しくなる。球団首脳には、この点を意識して、来シーズンに向けた活動をしてほしい。(万が一、この状況でも自惚れていたら、チームは存続できないだろう)
posted by 東スポ(東小岩スポーツ) at 00:00| Comment(0) | 2016〜17 ブリオベッカin JFL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月14日

「現状認識」ができなかったことに尽きる

注意・今回アップするブログは、批判記事になります。ご了承ください。



「浦安のサッカーは面白いでしょ?」

昨年、ブリオベッカ浦安のホーム最終戦で、谷口代表からファンへのあいさつにおいて、上記の発言があった。

この日の試合は、アスルクラロ沼津に0−1で敗戦。前半にスローインから簡単にフリーでクロスを上げられて失点し、後半は反撃及ばず…という内容だった。発言を聞いたおれは、「現状認識が甘い」と感じた。



その翌週に行われたリーグ最終戦のHonda FC戦(都田)

都田は特別な場所
このブログにおいて、おれは、以下の文章を書いた。
「都田で勝ちたい」という想いはある。(しかし、ホーム最終節の代表あいさつを聞いて、その想いは弱まっていた)

今だから書けることだが、心の中では「Honda FC相手に、0-5くらいで負けたほうが、球団首脳は自惚れに気付いて良い方向に進むのでは?」と考えていた。葛藤しながら試合を観戦していた。だからこそ、気を紛らわせたい思いもあり、試合中もアウェイ席に来ていた地元の子どもたちと長話をした。




そんな最終戦から2日後、球団から村田翔の退団が発表された。
さらにその翌日、竹中公基・永井文也など主力選手の大量退団が発表された。






さらにさらに、次の日曜日夕方、池田晃太の退団が発表された。

このニュースには、衝撃を受けた。(当時は)FWでの出場機会が限られていたとはいえ、得点能力が備わっているストライカーを退団させる…球団首脳は、「浦安らしいサッカー」に自惚れていることを実感させられた。







これらの主力選手の大量退団は、他チームのファンも驚かせた。

ライバルチームである川向こうのファンにも心配され、
千葉県リーグのファンには「トランプゲームの大富豪で、カードを2枚どころか4枚引き抜かれた状況」と言われた。


12月に入り、GK中島がJ3の盛岡へ移籍することが発表される。
さすがのおれも、ネガティブなツイートをした。






怒涛の退団ラッシュとなったオフが終わり、JFL開幕1週間前に、浦安市陸でプレシーズンマッチが行われた。相手は、関東リーグに所属しているつくばFC
「1週間後に開幕するJFLのチーム」と「1か月半後に開幕する関東リーグのチーム」が対戦。

結果から書けば、つくばFCが浦安を圧倒。おれは観戦していないが、川村誠也と池田晃太の攻撃陣がキレキレだったらしい。
試合中、浦安の声出しは、相手チームに移籍した池田晃太の応援をした。(個人的な考えだが)つくばに行っても応援する意思表示だろう。しかし、心のどこかでは、球団首脳に対する抗議の意味もあったかもしれない…


先のことを書くと、今シーズンの池田晃太は、移籍先で素晴らしい活躍を見せる。(JFLの1つ下のカテゴリーといえど)同じリーグに、レナチーニョがいるにも関わらず、得点王に輝いた。18試合で14得点。

(JFLのブリオベッカは、30試合で24得点。リーグワースト2位)




プレシーズンマッチのモヤモヤ感が残る中、JFLが開幕。
浦安は、アウェイに乗り込んで、ヴェルスパ大分と対戦した。浦安の南部健造が先制点を挙げるも、残り10分でヴェルスパが追いつきドローで終わった。

この試合、浦安の監督は「大きな采配ミス」をしている。1点リードの場面で、CBを下げて、2点目を取りに行く選択をしたことだ。
2017 1st.Stage 第1節 vs ヴェルスパ大分(試合レポート・公式HPより)

上記のレポートは、以下の文章で締められている。
1点差で勝っている時、あるいは逆に失点した時、その状況を頭から振り払い、遮二無二ゴールを目指す姿にサッカーファンは魅了されることを肝に命じて次に備えたい。


この文章を見たとき、おれは怒りを通り越して呆れた。球団は、残留争いする立場であることに気付いていない「現状認識」だった…
公式HPには、「私たちの目指すサッカー」として「組織化された混沌」というテーマを掲げているが、
守備組織をぶち壊すような采配をするとは…

一体感を感じた。けど…(おれの試合レポート)





この試合も含めて、選手たちは、自分たちの力を「100%以上」出し切ろうとしているのは伝わった。


しかし、リーグ戦を消化するにあたって、おれは応援しながら「球団首脳は、カテゴリーを問わず浦安市陸でリーグ戦が開催したいのか?」という疑問を持つようになる。その疑問は、監督解任により、間違いであったことを知る。


JFLからの降格を避けたいことは分かった。ただし、対応が後手にまわる。
小学生が、夏休みの宿題を8月29日から手を付ける様子にそっくりだった。



最悪の状況だったが、柴田監督就任以降、試合内容は劇的に改善された。(特に、一か八かのスライディングタックルが激減した)
ラスト3試合は3連勝。270分近くの間、無失点。

ファーストステージから巻き返したが、降格圏の年間15位でシーズンは終了…


ブリオベッカ浦安の年間成績は、スポンサーさんや関連企業の方々・応援に来てくれる子どもたちの期待を、大きく裏切る結果となった。


この結果を踏まえて、代表やGM・強化部長には、職を辞していただきたい。

なんて思っている人も多いだろう。

しかし、おれはそう思わない。何故なら、ブリオベッカ浦安というチームの創始者だからである。この人たちがいるから、浦安にサッカーチームがある。たとえ、自惚れだろうと。


そんな創始者の方々は既に、スポンサーさんや関連企業の方々から、叱責されているだろう。
スポンサーさんや関連企業の方々以外にも、浦安を退団した選手・コーチ・スタッフから、忌憚のない意見を聞いてほしい。
(主に、Jリーグにいる選手、レナチーニョより多くの得点を挙げた選手、J1のチームを破る大金星を挙げた選手)
理想論を書けば、他チームの選手、サッカー関係者、JFLの他チームから退任する監督からも話を聞ければいいだろう。

試合のこと、練習の様子、市民クラブとしての活動etc、浦安には無くて、他チームでは当然のことだってあるはず。



今日のところはここまで。次回はあるプロ野球チームの話を書く予定。
posted by 東スポ(東小岩スポーツ) at 01:00| Comment(0) | 2016〜17 ブリオベッカin JFL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月30日

This is 「悪あがき」

ブリオベッカ浦安は、先週行われたアウェイのヴィアティン三重戦で敗戦を喫し、JFL自動残留圏が風前の灯となっていた。残留が絶望的といっても大げさではない状況で、今日もJFLが開催され、
ホーム?柏の葉に流経大ドラゴンズ龍ケ崎を迎えての一戦。


先週ほどではないが、大雨の影響でピッチコンディションが悪い。阪神園芸さんが出張するほどではないけど。
「ボールが止まりやすいピッチ」に早く慣れることが大事だと思われた。


大雨が降り続けていたが、そこは「屋根が客席を覆う」柏の葉競技場。

試合前のおれは、大きな屋根の下で(ジャークチキンではなく)アンデス牛のサーロイン丼を食す。

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ジャマイカキッチン オルハさん、おいしくいただきました。




キックオフが近づき、残留が危うい浦安応援席は緊張感が走る

ことはなかった(苦笑)。


真剣なお遊びで、以下の応援歌を歌う。

・紅(くれない)
・ねぶた
・「じゃかじゃかじゃん♪じゃかじゃかじゃん♪オーオーオーオー!」


そんなこんなで選手入場。ボール回しの様子を見ると、先週ほどではないが、ピッチ上はボールが止まりやすい。


キックオフした直後、ドラゴンズにお菓子、ではなく得点をプレゼント。

浦安応援席は、落胆する人もいた。しかし、ピッチ上に混乱した様子はない。ドラゴンズがペースを落としたことも影響し、浦安は両サイドにボールを散らして、チャンスを伺う。
2列目より後ろの抜け出しで、シュートを打つ展開まで持っていけるが、ゴールは奪えない。(主審がファールを多くとる傾向があり)PA近くでフリーキックのチャンスもあったが…前半途中の選手交代で菊島を投入するも、流れは変わらずこのまま前半終了。


通常ハーフタイムは、控え選手がピッチに出てきてボールを回すが、大雨のため短時間で切り上げる。


一方、浦安応援席はスマホをじっと見る人が多い(おれは見ていない)。
残留に大きく関わる他会場の途中経過を確認しているのだろう。

「成人向けサイトを見ないでください!」と言いたい場面だったが、さすがに自重。




勝負の後半、浦安が攻勢に出ると思いきや、ドラゴンズが攻撃を仕掛ける場面が増える。しかし、浦安DF陣が確実に対処してピンチの芽を摘む(難しいコンディションを考慮すれば、本当にいいプレーだと思う)。


残り時間が30分になろうとするとき、柴田監督が最後のカードを切る。清水康矢と多木の投入だ。
今年は、ほとんど結果を出せていない2人だが、勝負に出た。


勝負の成否は、すぐに表れた。
左ウィングの富塚が敵陣深くに侵入し、そこにボールが入る。(利き足ではない)左足でクロスを上げる。
高いかな?と思ったボールは、多木の頭にドンピシャ。叩きつけたボールは、豪快にネットを揺らす。浦安が同点に追いついた。
このゴールは、多木が結果を出したことが素晴らしい。それ以上に、富塚のクロスが絶妙だった。昨年の開幕前からしばらくの間、都並TDの元で左サイドバックの練習をしていた成果が出た。


浦安は一気呵成に攻勢を掛けたい場面だったが、おれはアウェイ青森戦・アウェイ三重戦が脳裏に浮かんだ。慎重に…と考えていたら、
ドラゴンズのほうが動揺しており、明らかに苛立っている選手が数名いた。


そのタイミングで、浦安がスローインを得る。勝ち越し点を狙うべく、早めにボールを選手に渡そうとしたボールパーソン(U-14の子どもたち)が慌ててしまい、豪快にコケてしまう。客席では、自発的にチームコールをする子どもたちもいた。浦安に携わるみんなが、勝ち越し点を切望していることが分かるシーンだった。


そんな子どもたちの期待に応えたのは、またもや多木。右サイドで矢部からアーリー気味のクロスが上がる。多木は体躯を活かしてボールを収めると、そのままシュート。見事なゴールを決めて、浦安が逆転に成功する。


このときのスタンドの盛り上がりは、今年1番だったかもしれない。声出し隊のエリアは言うまでもないが、エレクトリカルパレードを歌う時、立ち上がっている観客が多数いた。観客は247人だったが、それを感じさせないような熱狂だった。


そんなスタンドの雰囲気はピッチに伝わったか分からないが、浦安の選手は躍動する。

ドラゴンズは反撃を試みるが、浦安のDF陣は安定していた。決定機を作らせない。80分過ぎ、浦安がボールを拾うと、清水が敵陣のコーナーフラッグのほうへボールを蹴りだす。
ドラゴンズのGKが追いつくと思われたボールは、水含みのピッチが影響してほとんど止まってしまう。

そのボールはGKが触れる前に多木がかっさらい、PA中央へパス。走り込んでいた菊島が、決定的なゴールを奪う。
ピッチ上では、菊島が喜びを爆発させていたが、応援席も同様だった。

エレクトリカルパレードは、逆転時のような盛り上がり。直後、声出しのリーダーは笑いながら「なんて日だ」と言っていたが、結果を出してほしい選手がゴールを立て続けに決めたから、その気持ちはよく分かる。

そして、声出し隊の近くにいた下部組織の子どもたちは、自発的に応援を始めた。3点目以降は、子どもたちが応援を初めて、声出し隊がそれに乗っかる現象が起きた(ドラゴンズが、攻勢をかけていたときに「うらやすゴーール!」のコールを発したときは、応援の加勢をお断りしました)。



3点目以降は、ドラゴンズの反撃をしのぎ切り、試合終了。

90分間、選手がベストを尽くした結果、ブリオベッカ浦安は、久々の勝利を手にした。



今年から、試合に勝ったあとは、(選手たちの協力のもと)選手とファンがラインダンスをして、勝利の喜びを分かち合っている。

浦安の子どもたちも大勢参加し、ラインダンスが行われた。

その中で選手が数名、音頭を取っているのが分かった(動く方向を変えるとき、「ヘイ!」と言っていた)。

この様子を見ていて、「選手もラインダンスをやりたかった」ことが伺えた。個人的には、少ししんみり。


後藤虹介は、ツイッターで「ラインダンスわかんねぇ。笑」と呟いていたが、おれだってラインダンスのやり方を忘れていた。


ヒーローインタビューでは、結果を出した選手が呼ばれていた。残り2節に向けて力強いコメントもあった。
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何はともあれ、ブリオベッカは今日のような「悪あがき」を続けていくしかない。その先に、何が起こるかは誰にも分からない。しかし、悪あがきをしなければ、何も起こらないことははっきりしている。


残り2節、最後の一瞬まで諦めることのない声援を。プレーを。
posted by 東スポ(東小岩スポーツ) at 21:55| Comment(0) | 2016〜17 ブリオベッカin JFL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする